エホバの証人ブログ-jw一般信者タピコの視点から

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 エホバの証人に関する話題を、一人の一般信者の素朴な視点から綴り、感想や観察を述べていきます。

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エホバの証人´日本のキリスト教諸教派における事実上の最大勢力

 日本のキリスト教人口は、数え方にもよりますが、100万人台から300万人程度と言われています。
仏教・神道に比べてキリスト教徒の人口が少ないのは、日本が伝統的なキリスト教国ではないから、ということだけでなく、数え方の問題もあるようです。
キリスト教の場合、洗礼もしくは浸礼という、明確な入信の手続きがあり、入信した信者については教会が名簿を作っていますが、神道の場合は、初詣に来た人数を信者数として文化庁に報告していたり、近隣の人口に一定の比率(想定される信徒率)を掛けた価を信者数として報告するということがあるようです。
キリスト教も同じような数え方をして、「クリスマスを祝っている人は全員キリスト教徒と見なす」という数え方をすれば、日本のキリスト教人口は1億人を超えることでしょう。
私はこれまで、エホバの証人以外で、「私はクリスマスは祝いません」とはっきりおっしゃる方にはお一人しか会ったことがありません。*1

 教会に籍がなくても、キリスト教系の学校を卒業したなどの理由で、キリスト教に好感を持っている人はそれなりにいますし、音楽家などは、仕事上教会に頻繁に出入りしているという方も多いです。
そういうことを言い始めるときりがないのですが、では、実態として、各教派の勢力というのは、どのぐらいのものなのでしょうか。

 私は、エホバの証人は、日本国内におけるキリスト教の最大勢力であると思っています。
各教団が公表している信者数によると、統一教会60万人、カトリック教会43万人、エホバの証人21万人、モルモン教12万人、日本基督教団11万人、日本聖公会4.7万人、日本バプテスト連盟3.3万人、日本福音ルーテル教会2.1万人、セブンスデー・アドベンチスト教団1.4万人などとなっています。
ただ、活動的な信者数がどれほどいるかというと、話は変わります。
統一教会は、選挙の得票数でいうと、8万票ほどを動かす力があると報道されています。
カトリック教会は、教会に籍を置く43万人のうち4万人以上が所在不明と公表しています。
毎週ミサに出席している人の人数(主日ミサ出席者数)は新型コロナウイルスの流行で急減しましたが、コロナ前のデータでも11万人ほどです。
クリスマスのミサの出席者数も20万強から20万人台半ばで、エホバの証人の記念式出席者数には及びません。
また、日本基督教団は、一つの教派というよりも、それぞれが独自の教えを持った複数の教派の連合体のようなものとも見なせます。
日本基督教団が公表している受洗者数の中には、日本基督教団に参加する複数の教会で洗礼を受けた人が二重、三重にカウントされていることもあるそうです。
さらに、日本基督教団は、亡くなった信者の人数を正確に把握できていないとも言っています。

 これに対して、エホバの証人は、カウントの仕方が異なります。
エホバの証人が公表している信者数は、毎月伝道活動を行ったという報告を提出している人の人数です。
毎週の集会の出席者数はそれよりも多いですし、年に一度行われる記念式(イエスが亡くなられたことを祝う式)の出席者数は30万人、過去には35万人以上ということもありました。
聖書レッスンの受講者数は、近年、成長しない研究生との研究を打ち切るとして意図的に減らしているところはありますが、かつては、伝道者数の0.8倍程度の聖書レッスンが行われていました。
また、聖書レッスンは受けていないものの、定期的に雑誌を受け取っているような、エホバの証人に好意的な人は大勢います。
非信者だけれど協力的な家族とか、何かイベントがあるとよく顔を出したり手伝いをしてくれる人というのもいます。
そして、開拓者といって、月に70時間以上(2023年3月以降は50時間以上)伝道活動を行う人が6万人もいるというのは驚異的です。
日本国内のエホバの証人の年間の伝道時間の合計は数千万時間にも及び、平均すれば、日本に住むエホバの証人ではない人全てが、1年に30分以上エホバの証人から聖書の話を聞いていることになります。
また、12年以上前の数字になりますが、2010年4月には、369万冊以上の雑誌を配布しました。
(2012年以降、雑誌の電子化が進んでおり、エホバの証人から雑誌を受け取らずに直接公式サイトからダウンロードする人も増えていますので、最近の配布数は必ずしも全容を表しているとは言えません。)
このころは、1か月の間に「ものみの塔」と「目ざめよ!」の2冊の雑誌をセットで配布するということをしていましたので、エホバの証人から雑誌を受け取ったのは180万人強といったところかと思います。
この中には、エホバの証人自身やエホバの証人の家庭の子供などは含まれませんので、1号の雑誌の印刷部数は200万部は軽く超えているはずです。
「週刊文春」(64万部)や「しんぶん赤旗日曜版」(80万部代)よりも多く、「家の光」(JAの関連団体が発行する月刊誌)の歴代最多記録の115万部(1977年)よりも倍近く多いということになります。
もっとも、エホバの証人は記録を作ることに関心はないので、「興味を示さない人に見境なく雑誌を配ったりしないように」とも指導されている中でのこの数字です。
近年は、電子化が進んだ結果として印刷部数は減っていますが、エホバの証人は関心を示す方にメールでリンクを送ったりしていますので、読者数自体はそこまで極端には減っていないものと思われます。
キリスト教の話からは少し脱線しますが、天理教は信者数100万人以上、教師数15万人と公表していますが、機関誌の発行部数は12万部ほどで、信者数はおろか教師数さえも下回っているという状況です。
(天理教の場合、ご家族で教師をされていたりするので、機関誌の発行部数が教師数を下回っていても、特に問題はないのかもしれません。)

 日本の信者数の統計の取り方は、文化庁が教団から申告された数字をそのまま公表する、といったものです。
真如苑はかつて、信者数を多めに見積もっていましたが、宗教施設に入場するためのIDカードを発行するようになり、そのカードの発行枚数をもって信者数とカウントするようになったので、現在公表している信者数は、それなりに信頼性の高い数字であると見なされています。(とはいえ、ヤフー知恵袋には、上司にどこに行くか告げられずに真如苑の宗教施設に連れて行かれ、IDカードを渡された、といったような投稿が複数あるので、熱心な信者さんではないけれどIDカードを持っているという方もそれなりの数いらっしゃるのでしょう。)
エホバの証人の場合、バプテスマを受けるためには場合によってはライフスタイルを変えることが要求され、ほかの教派との掛け持ちが許されず、バプテスマを受けた後も毎月伝道活動をしていないと信者数にカウントされませんので、信者でいつづけるためのハードルはかなり高いものです。
(例えば、同棲している人がエホバの証人になる場合、パートナーと別れるか入籍するかの二者択一を迫られることになります。一夫多妻者の場合、2人目以降の妻と別れることが求められます。ほかの宗教組織に所属している人は、脱会しない限りエホバの証人にはなれません。)

 米国の国勢調査局も宗教についてのデータを取っていますが、米国では、一般市民にアンケート調査の形で行い、その人がどの宗教に所属しているかを「回答者の見解によって決める」という方法を採用しています。
米国の調査では、教団組織が公表する信者数(伝道者数)よりも、国が発表するエホバの証人の人数のほうがずっと多いという現象が起きています。
日本でも同様の調査を行えば、同じような結果になるでしょう。

 日本では、キリスト教の事実上の最大勢力はエホバの証人です。
エホバの証人の年次報告を見ても、伝統的なキリスト教国ではなくて人口の500人に一人がエホバの証人というような国は、日本と韓国くらいなものです。
(フィリピンやナイジェリアは、時代をさかのぼれば「伝統的なキリスト教国」ではないかもしれませんが、日本のように、キリスト教徒全体の人数が5%もいない中でエホバの証人が目立っているという国は珍しいです。)
エホバの証人は、カトリックが優勢な国では増えやすく、正教会の国ではそこまででもない、という傾向があったりしますが、日本のエホバの証人の比率は、正教会の国々よりも高かったりします。
政治や戦争に参加しないエホバの証人の姿勢を高く評価して聖書レッスンを受けるようになった人もいれば、「合理主義」というエホバの証人の特徴´つまり、筋の通った生き方をしているところ´に引かれたという人もいます。
「なぜエホバの証人は戦後日本でここまで増えたのか」を分析しようとする宗教学者のコメントも読んだことがありますが、現役信者から言わせると、見当違いな推論をしているところがあり、何かもっと良い説明はないものかと考えてきました。
考えがまとまれば、いつか記事にするかもしれません。


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*1:エホバの証人がクリスマスを祝わない理由については、エホバの証人の公式サイトにある、「エホバの証人はなぜクリスマスを祝わないのですか」という記事をご覧ください。